燃焼の仕組み(木はすぐには燃えない)

燃焼の3要素

燃焼とは、発熱と発光を伴う酸化反応です。燃焼には、3つの要素が必要です。

  1. 可燃物:薪。燃える物質があること
  2. 酸素:燃焼は可燃物の酸化反応
  3. 熱源:物質の温度が発火点以上であること

木材(薪)の発火点は何度か?

可燃物を加熱した場合に熱源がなくても自然に発火する最低の温度を発火温度といいます。発火温度に達しなければ、燃料は燃えません。では、木の発火点は、何度でしょうか。

  1. 木材は、加熱すると100℃前後でその水分が蒸発する
  2. 加熱を続けると200℃付近で炭素成分が分解が始まり、可燃性ガスが発生する
  3. さらに温度が上昇し、260℃になると木材自体に火がつく
  4. さらに加熱され続け、450℃以上になると、熱源がなくても発火する

すなわち、木材の発火点は、450℃前後となります。

なお、国の防火の基準では、木材が燃焼する場合の危険温度を260℃としているようです。木の温度が260℃以上となると、そばに火があれば木材にも着火するということですね。

木材は、上記のプロセスを経て燃焼することから、木はすぐには燃えないことがご理解いただけると思います。もっとも、上記の発火点は、可燃物の状況(含水率)などによっても異なってくる場合があるので注意が必要です。

木はすぐには燃えない

わたしは、木はすぐ燃えるものだと誤解していたようで、上記のようなプロセスを経て段階的に燃焼していくことすら理解していませんでした。たしかに、初めて焚き火をした際に、着火に失敗したのは、上記の燃焼の3要素を理解できていなかったことが原因でしょう。焚きつけを準備した際、小枝を密集しすぎていたこと、さらに焚きつけ用の木材もその上に被せてしまい、空気の通り道を塞いでしまっていたことがが原因だと考えられます。酸素の供給が不十分で酸欠に陥っていたのだと思います。

1回目の焚きつけが失敗に終わったことを受けて、少し空気の通り道を意識して、焚きつけを再配置した上で、再度着火すると今度はうまく火がつきました。何にでも理屈というか道理があり、それを理解することが大事ですね。

薪から可燃性のガス

火が大きく成長した段階で、広葉樹の薪を焚べた。そうすると、広葉樹からシューシューと音が聞こえてきた。この音こそ、木材が加熱され水①の分が蒸発している音だったのですね。

このシューシュー音は、しばらく続いた後、しなくなった。すると薪自体には大きな変化はないが、火が大きくなってきました。これは、②の可燃性のガスが発生し、それに火がついてのだろ思われます。

さらに少しすると薪自身の色が黒ずんできました。その時に薪の温度を赤外線センサーで調べてみると、265℃でした。ここまで至るのに、着火からおよそ20分前後かかっていました。その後、さらに5分程度経過すると、450℃となっていました。この段階で、ようやく木材の発火点に達したことがわかります。

ここまでで約30分要しました。ここまでくれば、着火は成功したといって差し支えないでしょう。以降は、火力を調整し、適宜必要な分だけ薪を焚べれば、火は自然と新しい薪にも火がついてきます。燃焼の連鎖反応が起こります。

焚き火が安定するには多少の時間がかかる

わたしは、薪に火がついたらすぐに調理できると考えていましたが、甘かったようです。少なくとも焚きつけから火が安定するまで30分程度の時間がかかるなんて実際にやってみないとわからないことですね。

これは、実際にキャンプにゆく前に練習できてよかった点だと思います。

焚き火料理には、準備段階で最低30分は必要であることがわかったので、時間を逆算して準備をすれば良いのですから。

今回は、燃焼には3要素があること、木はすぐには燃えないということがよくわかりました。

次回のキャンプでは、この点を意識して焚き火に挑みたいと思います。

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