人類の火の歴史について

人類の定義

中学生の頃だったでしょうか、歴史の授業で人類の定義について教わった記憶があります。人類の特徴は、以下の3点です。

  • 直立二足歩行
  • 道具を作り、操る
  • 火や言葉を操る

人類は、他の動物を異なり、火を使うことが出来たのです。

人類は、いつから火を使えるようになったのか

考古学的には、少なくとも20万年前には、火を使用し、料理を行っていたようです。それよりも以前に火を使った痕跡が見つかっていますが、25万年よりも前に人類が火を使った痕跡が見つかっているのはわずかしかないようです。

痕跡が見つからない理由の一つには、氷河期なども影響しているようで、氷河が人類の火の痕跡を消し去ってしまったという意見もあります。考古学的に人類がいつから火を使っていたのかは、まだ分かっていないようです。今後の考古学の研究により解明されることを期待したいですね。

人類は、どのようにして火を使うようになったのであろうか

これにもいくつか見解があるようですが、

  • 落雷による森林火災
  • 太陽光などによる自然発火
  • 火山噴火に伴う溶岩などによる森林火災

などから、火を手に入れたのではないかと考えられています。

火は、熱くて触れれば火傷する危険な存在ではありますが、上手に扱えば、火は明かりとりにもなるし、暖がとれます。おそらく当初の人類は、上記の現象を目の当たりにした際、なす術もなく火を近くで眺めていたのかもしれません。そのような経験をしばらく積み、いつしか勇気ある者が火のついた枝などを持ち帰り、焚き火などを行い火と親しんでいったのではないでしょうか。遊びの中で火の扱いを覚えた可能性だってあると思います。

人類の料理の起源について

あわせて、森林火災などで逃げ遅れた動物が焼かれたのを見つけ、それを食べたのかもしれません。肉が焼ける香ばしい匂いにそそられて、好奇心ある者が食べたのかもしれませんね。火を扱うようになる以前は、他の哺乳類と同様に、生食を行っていたはずです。

現代人の我々は、魚を生で食べる事はありますが、肉を生で食べる事は食中毒のリスクなどがあるため、まずしませんね。ちょっと前までは、生レバーやユッケなどを食べられていましたが、O157の食中毒が発生したこともあり、基本的には、加工せずに生の状態で肉を食べる機会はなくなったに等しいと言って差し支えないと思います。。

しかし、火を使う以前の人類は、おそらく生で植物や動物の肉を食べていたと思われます。生の植物は、堅いしアクが強いものあるし毒がある物も存在しますが、火を通せば無毒化され食べられる物もあります。肉も生の状態だと堅くて食べにくく、食中毒となる可能性があります、これらに火を通せば、柔らかくなり食べやすくなります。

食材に火を通すことを覚えた人類は、同様に生食よりも料理(食材に火を通すこと)を行った方が、はるかに効率的にエネルギーを摂取できることを経験的に理解していき、いつしか人類の体の仕組みもそれに合わせて適応していったものと考えられます。このようにして人類は、火を、照明として、暖をとる手段として、料理をする手段として、物を加工する手段として、活用し、今に至ったものと考えられます。

火を扱うようになり人類の生活レベルは格段に向上にしたに違いないでしょう。いつしか、火は、人が人として生活にする上でなくてはならない身近に存在であったのだと思われます。火と上手に付き合うことで、人類(ホモサピエンス)の今の繁栄があったものと考えられます。現代日本人の我々は、果たして火と向き合い、上手に付き合えているのでしょうか。

次回は、火と日本人の歴史について、と取り上げてみます。

広告
最新情報をチェックしよう!