焚き火って自宅の庭でできるの？
では、次に法律上の定義について勉強してみましょう。
法律上、自宅の庭で焚き火はできるのでしょうか。
先に結論から言えば、管理人が住んでいる横浜市の場合ですが、焚き火は「規則に定める有害物質」を燃やさずそして「著しく」燃やさなければ、自宅の庭でも行なって良いことになります。自宅でも節度を守って行えば焚き火ができるのですね！安心しました！
ぜひ、みなさんもご自身がお住まいの都道府県等の条例を確認してみてください。
（１）法律上の規制
法律の規制は以下のとおりです。ご興味がある方はご一読ください。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第１６条の二は、「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない」とし、同条第３号において「公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却物の焼却として政令で定めるもの」と定めて、具体的な内容は、政令に委任しています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第１４条は、「法第１６条の二第３号の政令で定める廃棄物の焼却は、次のとおりとする」とし、同条第５号において「たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であっても軽微なもの」と定めています。
したがって、法律上、周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である焚き火は、行って良いということになります。
なお、この法律に基づき、家庭や事業所から出たごみを庭や空き地においたドラム缶やブロックで囲んだ焼却炉を使用しての屋外燃焼行為（いわゆる野焼き）は、一部の例外を除き（具体的には廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第１４条のこと）、平成１３年４月１日から禁止されるようになったとのことです（千葉市の「野焼きの禁止」を参照）。
わたしが小学生だった頃は、野焼きは禁止されてはいなかったので、近所でも一斗缶を使っておじさんたちが野焼きを行うことができたということがわかりました。
野焼きが禁止される理由は、有害物質などを設備が整っていない施設で焼却すると有害物質などによる影響があるため禁止されているのですね。一方、B B Qで炭を燃やしたり、焚き火で薪を燃やす行為は、周辺地域の生活環境に与える影響が軽微であるため、許されているということがわかりました。もちろん、その際にビニール袋などを一緒に燃やすことは、有害物質が発生するため絶対にやめましょう。
ところで、この法律には、罰則規定もありますので念のため確認しておきましょう。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第２５条第１項第１５号が「第１６条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者」は、「５年以下の懲役若しくは１０００万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定していますので、周辺地域の生活に与える影響が軽微ではない焚き火と判断されないように、節度ある焚き火を行う必要がありますね。
＜参考＞
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
（焼却禁止）
第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
（焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却）
第十四条 法第十六条の二第三号の政令で定める廃棄物の焼却は、次のとおりとする。
一 国又は地方公共団体がその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却
二 震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却
三 風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却
四 農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却
五 たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
（罰則）
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 から 十四（略）
十五 第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者
十六 第十六条の三の規定に違反して、指定有害廃棄物の保管、収集、運搬又は処分をした者
２ 前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。
